エベレスト食肉センター日誌

ゲーム制作その他について書きます。

一人の物書きと一人の実況者の話

エベレスト食肉センターです。

今日はいつもに増して思いのままに書き散らしていこうと思うのですが、世間に文章を発信するというのは恐ろしいことだと思っているので、前書きをつけます。いつもは()を多用することで責任逃れをしている僕ですが(誤解が怖いために、こんな感じで)、ちょっと今回は()無しで書いていきたいので(意外に気が削がれるからね)、先に言い訳をします。

前書き

★今回の記事は『食糧天使』のネタバレがあるかもしれない

①今回のブログはすべて個人の話で、他のゲーム製作者やVtuber及び実況者の話はしていないしするつもりもないし何か提言するつもりも批判するつもりもないし逆に賞賛するつもりもない。あくまで「僕の話」をしていて、「他の人には他の人の考えがある」以上でも以下でもないつまりだいたいの人にとっては他人の独り言ってことです。

②普段は太文字を使ったり文字の色を変えたりして「拾い読みもしやすいように」していますが今回は拾い読まれたくないので使用しないしあえて読みにくい文章を書きます。意図的に冗長かつ煙に巻いた文章を読む気がある、僕や僕のゲームその他作品および話題にあげている実況者に強めの興味があるごく少数の人たちのに向けて(とくにその人たちのためではないけど)書く。また自分語りもさせていただくので、臭いなと思ったら自衛してください。

③ここまで読んでうーんと思った人には多分時間の無駄をさせてしまうので、ブラウザバックで大丈夫。ゲームの話や制作の話、キャラの話等等は(ここにも書くかもしれないけど)またきちんとまとめて発信します。作品が好きだからって別に製作者に興味持つ義務はないと思う、ただ僕側はどなたでも歓迎します。

 

~谺くんとファンの方へ~

名前を借りているのにこんな記事を書きすみません。もっと他の人に谺くんの良さを広められるような記事にしようかなとも考えたのですが、それはまた別の機会に。ただ、彼のことが好きな人たちにとっては、そして谺くんの『食糧天使』実況を見たひとにとっては、このスタイルのほうが面白いと思います。僕自身には興味がないと思いますが、そっちの世界に住む谺くんがこっちの世界にいるゲームクリエイターに与えた影響などの話をするので僕の自分語りも多々あることをお許しください。

あと谺くん、この記事すごい癖強いのでrtしたりしなくてもいいからね。また会って話す機会もあるでしょう。

 

~ここで離脱する方へ~

下記、とてもいい実況なのでぜひ!言いたいのはそれがすべてです。僕は僕のゲームをやって欲しいと思ってるけど、やる時間が無い人とか一人でやるのが怖い人に対してはこの実況を強く薦めます。

1度見た人もお時間あれば是非。1.5倍速でも余裕で聞き取れる信頼の滑舌です。

 

 

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谺くんは僕にとって、あっちの世界に住んでいる知人だ。正式に言えば今作の音楽に携わってくれたたまごやきちゃんが僕の友達なので、彼女は谺くんの友達でもある、そういう関係、つまり友達の友達。

もともと気になってはいたし別のアカウントでも繋がっていたんだけど(1度会った時に面白い人だなと思っていたため)Vtuberという存在と僕の相性が悪すぎて1回なかったことにしたことがある。そしてその理由はただひとつ、僕がゲーム実況が嫌いだったからだ(この件だけはカッコを使わせてもらうが、今は色々な経験や実況好きの荻野からの話をうけて肯定的になっていたためあくまで「だった」という受け取り方をしてほしい。僕は僕のゲームを実況してくれた方々のことは本当に好きだ)。

僕は元々ゲームのオタクで、ゲームは自分でやることに強い価値を感じていた。自分でプレイして、選択して、体験したことにこそ価値があり、つまりストーリーゲームは孤独の楽しみだと思っていた。そして自分だけの宝物みたいなゲームを見つけたとき、そのゲームを知ってる人が現れるととても嬉しかった……のに、その人に「やってないんだけど実況で見た笑」と言われることが多すぎて本当に本当に悲しい思いをした。そんな経験が重なって、最後はゲーム実況のすべてが悪の権化のように思えた……し、VTuberはゲーム実況をするという偏見もあったので、いきさつとしてはそういうこと。

でも僕は谺くんのことはずっと好きだったよ。それは彼が創作者だったからだと思う。僕は小説以外のエンターテイメントのことは一切、多分普通の人以上によく分からないけれど、谺くんがちゃんと頑張ってちゃんと熱心にやってる人なことだけはよくわかった。だから僕も「仲良くなりたい」とはずっと思っていて、ただ友達と言えるほど親しくはなくて、だから、谺くんが「エベレスト食肉センターさんは、友達になりたい人だ」と配信で言ってくれたとき本当に嬉しかった。友達だよと言われるより嬉しかった。『互いに知っていて、互いに興味がある』という関係を『友達』と名付けないところが好きだ。僕達はまだ友達じゃないけど、これからもっと仲良くなれたらいいよね、友達じゃないからこそこれから仲良くなれる、僕『は』そう思っていたし、それが僕『も』である可能性が嬉しかった。

誰かと友達になるとき、多くの人は『遊びに行ったりすることで仲良くなる』と思う。会った回数と喋った回数の積み重ねで人は人を好きになるって考え方……もちろんそれも間違っているとは思わない。でも(これは僕の師匠である教授の受け売りだけど)創作者はそうではないんじゃないかと。話がぼやけるかつ主語をデカくするほど例外が出るので僕個人の話にフォーカスしますが、僕の外見や年齢、考え無しの日常的な発言、笑顔や涙、そういう一切は僕の本質ではない。僕の本質はどこにあるかといえば僕の書いたものの中にあり、あとは全部オマケだ。僕の書いたものだけが徹頭徹尾僕の人生でできている、つまり、僕の作ったものを良いと思うことだけが、本質的に僕を好きになってくれたということなんだ。これに恋愛的な思考を入れると途端に気持ち悪くなってしまうので、そういう話ではないことは言い添えさせてほしい。人間のコアの部分の話。つまりね、谺くんが僕の作品を好きで、僕が谺くんの作品を好きであるとき、それってなんかの両思いだと思うんだよね。

僕は谺くんとたまごやき(音源提供の)の作るものが好き。だから僕は3回しか会っていない谺くんのことだって好きだと言うことができる。友達じゃないけど、僕が好きなのは勝手だし、なんとなく両思いだって信じてる。僕にとってはそういう人。

2人の作品が大好きだ!と言えないのは触れた回数が少なくておこがましいからなんだけれど、おそらく大好きだと考えている。2人は僕にできないものを作っているから。僕が専門にしている純文学は、『個の創作』だ。1人で書き、1人で読む。編集の手は加わるにせよ、そもそもが芸術領域なので『作者が勝手に尖ってくれること』が期待される。文学が多くの人の共感を誘ったり愛されるのは結果であり、目的ではない。これは近代アートなどにも通じる部分だと思う。一方で谺くんやたまごやきがやっていることは『総の創作』だと思う。適切な言葉を知らなかったので造語喋るけど、つまるところ『全員で楽しむことを目的にした創作』『その場のみんながその空間を好きになることに目的を置いた創作』という意味ね。以前2人が行ったTwitterを利用した謎解きゲームはその最たるものだが、代表的なのはリアル脱出ゲームとか人狼とか……そしてゲーム実況もそうなんだって今回思った。かつての僕はゲーム実況について『1人でやれ!』以外の感想がなかったわけだが、実況主たちは単にゲームを垂れ流しているわけではなく、ゲームを行うことで自分がまず楽しみ、言葉を通してその場の人々を『楽しませている』、つまりゲーム実況は創作物である……そして僕にそれを気づかせてくれたのが谺くんの実況だったために、この長尺で喋ることにしたというわけ。当然ね、実況見ないでプレイして!という気持ちが完全になくなったわけじゃないよ。好きなゲームはここで積んだとかを話し合いたいしさ、やっぱりそういう気持ちはなくならない。でも、ごめん、めちゃめちゃ自分勝手だけど、僕は自分の作ったゲームは実況ありだな~!見てくれ~~~!!って思ったんだよね……だってどうせ誰とも対等になんか喋れないんだから。共同制作者の荻野すらも僕の読者なんだから、僕が話を書いた以上、この世界にはハナから僕とその他しかいない。

そういう複雑な心境とか自我()はあるものの、ゲーム実況が好きな人の気持ちはよくわかった。1人でじっとやることにも確かに発見があるけど、誰かのプレイを見て、誰かの話を聞くことで、考えられることもあるよね。怖いゲームがやれない人もいるし、血が出るシーンがダメな人もいるし、そもそも時間が無くて腰を据えてゲームができない人もいる。ゲームを1人でできる人はやったらいいよ、でも『1人で出来ない人』を楽しませてくれるのが実況かもしれない。1回プレイした人でも新鮮に楽しめるのも、実況かもしれない。一人でやっている時とはまた違う考え方が生まれたりするからね。それは製作者の愛をより広い層にそして多角的に届けてくれる、新しい創作の形だと思う。僕は創作者として、それに敬意を払いたいし、全部大切にしたい。ありがとうね。

谺くんの実況で僕が好きだった部分は、いろいろあったけど、なによりもまず朗読だったな。衝撃的だった。

僕は物語を書いたり読んだりしてる時、登場人物の声は脳内再生していない。見ることに忙しいし、人間が話す速度より読む速度の方が早いので、声っていうか不必要な音声を再生したらめちゃくちゃ脳の中がうるさくなる。つまり、ちょっとよく説明できないけど、書いたものに声ついたの初めてで、こんなに情報量が増えるのかと思ってびっくりしちゃったわけ。

谺くんは声優してくれたわけじゃないし(演じて!って言ったらもっとやる人だと思うから、演じてくれた!って言ったら怒られそうでもある)、多分気持ちを込めて朗読してくれたくらいの表現が正しいんだと思う。それでもリンが言葉に詰まったり、リゥが感情を出したり出さなかったり……たったそれだけで全然情報量が違う。それが本当に衝撃的だった。僕は読みすぎて本気で飽きてた自分のシナリオで今更ちょっと泣いたよ。彼らの言葉を書いたのは僕だけど、谺くんが言葉から彼らの感情を受け取ってくれて、頭の中で処理されてアウトプットされる、それって毎秒単位の考察だよね。1行に1回アンダーライン引かれて「わかるよ~」って言われてるみたいな気持ち、そんなの嬉しすぎる。しかも、繰り返しになるけど、僕は『話のこと』だけしかわからないから、それに付随する声の効果とかってあんまり今まで分からなかった。それを初めてわかれたこと、普通に勉強になり、そこらへんも嬉しかったな。

それから、配信後の振り返り枠で『自分の話』をしてくれたのも嬉しかった。僕は基本的に人の話を聞くのが好きで、谺くんと同じ収集型だと思う。自分の話を起点にして谺くんの、そして配信を聞いている人の『話』を聞けたのはとても嬉しかった。あとはね、最後になりますが、途中でやめようとおもったのに最後までやりたくなってやっちゃったー!っていうその気持ち、すごい嬉しかった。僕のために『途中でやめようと思ってくれたこと』も嬉しいし、多分結構強めにそう決めていただろうに最後までやっちゃって、そのあとに振り返りまでやってくれた、そんなに楽しんでくれているリアルタイムの様子を配信に残してくれてありがとう。本当に嬉しかった。全部が嬉しかった。話を書いていて良かったなと思うことはたくさんあるけど、今回も強く思った。僕は結構何でも書くけど脚本だけは書いたことなくて(単に書いたことがないのもそうだけど、僕は僕の作ったものに手を入れられることはあんまり好きじゃなかったから)、でも脚本書く人の喜びもなんとなく今回、それは初めて、よくわかった。自分が書いた話に誰かが息を吹き込んだ時……上手く言えないけど、なんだか凄く、嬉しいんだなってことが分かった。脚本もやってみたくなった。

谺くんの実況は、単にやってくれて嬉しい、楽しむ姿を見せてくれて嬉しい、そういうのもあったけど、創作者としての僕に新しいことをたくさん教えてくれた。だから特別。谺くんは僕に突然ここまで『思われた』ことを知ったら普通に寝耳に水で驚くだろうなと思うけどね……。

僕は谺くんともっと仲良くなれたらいいなと思うな、強くそう思う。